マスキー法とCVCCの奇跡を思いだそう!
2011-08-29


具体的に言えば、「すべての原発を直ちに停止し、廃炉プロセスへ」という明確な方向性の提示とともに、「1年以内に風力発電を○○万キロワットに」とか「3年以内に太陽光発電を○○万キロワットに」という目標を掲げることです。年限を区切って、電力会社に自然エネルギーの割合を上げさせ、達成できなければ罰則です。
産業界から言えば、国の方針が定まらないから、動きようにも動けないという状況もあるのです。マスキー法とCVCCの奇跡を思い出しましょう!

幸い、風力発電や太陽光発電は、設備としては簡便なもので、やる気になれば、数ヶ月である程度の施設を作ることができます。地熱発電や潮力発電は、風力や太陽光ほど簡単ではありませんが、オリンピック用の競技場を作るつもりでやれば、アッと言う間に造れます。そこに、新たなイノベーションやブレークスルーが加われば、発電効率が上がり、建設コストやランニングコストが大幅に下がる可能性があります。
電力会社は、送電線が… 送電システムが… と言いますが、こんなものは、大雑把に言えば、電線を引くだけです。それに、この間、飛躍的な進歩を遂げているITを絡ませれば、問題は次々と解決していくことでしょう。ここにも、イノベーションやブレークスルーの可能性が十分にあります。

基本的な構図は、「先行する行政」と「追いかける産業界」です。そして、マスキー法の時には、「先行する行政」の背後には、反公害運動という安全と安心を求める市民の大きな声があったことを忘れてはなりません。
新総理にお任せでは何も動きません。まず、私たち一人ひとりが声を上げていくことです。


附記:
すべての原発を直ちに止めたとしても、危険がなくなるわけではありません。1963年の国内初の原子力発電から48年。溜め込んできた使用済み核燃料(放射性廃棄物)が放出する放射線が環境に影響を及ぼさないレベルになるまでには、10万年以上の年月が必要です。そして、それらを安全に保管するための最終処分場は日本にはありません(世界を見渡してもフィンランドにしかない)。たった48年のために、10万年以上に渡る危険を私たちは背負い込んでいます。この危険を今以上に増やしてはいけないのです。
そのためには、とにかく、すべての原発を止めて、廃炉への道に踏み出すこと。原子炉の運転(核分裂連鎖反応)を止めれば、少なくとも、福島第1やチェルノブイリのようなシビア・アクシデントの可能性は大きく減ります。一年ほどすれば、燃料棒を原子炉から取り出して貯蔵プールに移すことができます。これで、さらに危険性は減ります。その三年後、燃料棒は中間処理施設に移せます。ここまでくれば、核燃料溶融や再臨界の危険性はなくなりますので、汚染物質や汚染水を徹底して管理することに注力すればよくなります。それでも、注意深く進める必要はあるのですが、これは、50年近くに渡って原発を認めてきてしまった私たちが、甘んじて背負わなくてはいけない、最低限の危険と負担と理解するしかないでしょう。

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