ストロンチウムの危険性を考える時に、それが一旦、植物に吸収され、一部は家畜を経由して、最終的に人間の体内に入ってくるという流れを考えなかったら、まったく意味がありません。
セシウム137によるお茶の汚染を思い出してみましょう。空間線量が驚くほど高かったわけでもないし、土壌への沈着が問題視されていた場所でもない所で、茶葉が高濃度に汚染されていました。大気中を浮遊する、それこそごく僅かのセシウム137を、茶木が重要な栄養分であるカリウムと勘違いして、積極的に取り込んだ結果です。葉では、空気中の数百倍、いや数千倍の濃度にも濃縮されました。これを生体濃縮と言います。ちょっと難しい言葉ですが、本来は、生きものが生きるために栄養分を体内で濃縮する働き。放射性物質は、生きもの本来の営みを逆手に取るように体内に入り込み、内部被ばくを引き起こすのです。
さて、ストロンチウムに話を戻しましょう。
チェルノブイリを含めて、過去の原子力事故では、ストロンチウムを吸収した牧草を食べた乳牛から絞った牛乳による内部被ばくが、大きな問題となっています。IAEAもICRPも認めていませんが、原子力事故の後に、白血病が増えたというデータは複数存在しています。それを伝えているドキュメンタリー番組もあります。
今回、汚染が確認された地域には、二本松や白川など酪農が盛んな地域が含まれています。心配です。なお、福島県産の牛乳は、事故直後に出荷制限されましたが、4月末から5月初めにかけて、県内のほぼ全域で解除されています(事故後に地元の牧草を乳牛に与えていたかどうかは不明)。
危険なのは牛乳だけではありません。ストロンチウムを吸収した野菜を直接食べる場合や、溶け込んだ水道水を飲むことによる体内への吸収。これらにも警戒が必要です。当面、カルシウムが豊富な野菜に注意が必要でしょう。小松菜、モロヘイヤ、水菜、大根の葉、バジルなどが当たります。
また、牛乳の例で分かる通り、授乳中の女性が取り込んだ場合、母乳に放射性ストロンチウムが濃縮されるという恐ろしい事態が起きます。
すでに、事故発生から半年以上が経っています。ただちに、食品と水道水の検査項目にストロンチウムを加えないと、とんでも無い悲劇が起きる可能性があると指摘しておきます。乳牛の検査、母乳の検査も、今すぐに始めるべきです。一刻の猶予もありません。これは決してオーバーな言い方ではありません。
それにしても、国の動きの遅さ、知ってて情報を隠す姑息な態度。あらためて強い怒りを覚えます。
追記:
参考までに、過去に当ブログでストロンチウムを扱った記事をまとめておきます。
『ストロンチウム90に警戒を』(
3月24日)
『再度、ストロンチウム90に警戒を』(
4月11日)
『ごく微量のストロンチウム90?』(
4月13日)
『海からストロンチウム』(
5月10日[LINK])
『恐怖のストロンチウム90』(
6月12日[LINK])
セコメントをする