福島とチェルノブイリの年間1ミリシーベルト

コメント(全19件)
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私設原子力情報室 ― 2011-11-30 10:21
whiteさん

お立ち寄り頂きありがとうございます。

まず、日本の「空間線量=0.23μSv/h」→「追加被ばく量=1mSv/y」の根拠ですが、計算式は、当ブログ「外部被ばく線量計算機 」 [URL] で提示した [URL] です。ただ、算入する固定値が、この時の当ブログの値とは若干異なっていて、日本政府が取っている固定値は以下の通りです。

大地と建物からの自然線量(屋外・屋内とも)=0.04μSv/h
実効線量換算係数=1.0
屋外活動時間=8時間
屋内における被ばく線量軽減係数=0.4

注意して欲しいのは、「大地と建物からの自然線量」が屋内外で同じなのは、日本特有の事情によるものです。外国では、建材に石やコンクリートが使われることが多いため、屋内>屋外の国が多いです。
また、「屋内における被ばく線量軽減係数」が効いてくるのは、追加分の人工放射線分(要するに福島第1由来分)だけです。

エクセルで作った「外部被ばく線量計算機」を [URL] にアップしてありますので、ご活用ください(固定値は改訂して、政府の計算に合わせてあります)。

さて、チェルノブイリの1mSv/yが、線量計の実測値で何μSv/hに当たるのかは、正直言って、分かりません。理由は、以下の固定値が不明だからです。

●大地と建物からの自然線量(屋内・屋外)
[URL]
[URL]
にも、ウクライナ・ベラルーシのデータはありません

●屋外活動時間
8時間と設定する場合が多いですが、国際機関によっては、4.8時間を採用しています。

●屋内における被ばく線量軽減係数
0.4は木造家屋の場合です。コンクリート造りや石造りでは、0.2程度とされます。
[URL]

ただ、元になる計算式は同じはずなので、人工放射線による追加被ばく線量=1mSv/yの実質的な量が、日本とウクライナ・ベラルーシで、大きく異なることはないと思います。
white ― 2011-12-01 00:56
丁寧な説明をありがとうございます。
ご紹介して下さった記事に、”実効線量換算係数(=実効線量/空間線量)」が0.7とやや低めだったり”とありますが、0.7を掛けるのは何故なのか疑問に思いました。
また、”「木造家屋の屋内における被ばく線量軽減係数」が0.4とこれまた低め(NHKの番組では0.5を採用していたものも)だったりする”とありますが、詳しくは存じ上げませんが、これも他では屋外と屋内を分けずに計算する方法もあるようですね。
原発の事は、本当に、それぞれ説がたくさんあって、素人目には大変です。
私設原子力情報室 ― 2011-12-01 11:18
>whiteさん
「実効線量換算係数(=実効線量/空間線量)=0.7」は、
ATOMICA
[URL]
が採用しているもので、当初、他によりどころがなかったために、当方も、その数字を採用しました。根拠は、「空間線量の100%を人体が被ばくするわけではない」という考えだと思います。
ただ、今は、ほとんどどこでも、「実効線量換算係数(=実効線量/空間線量)=1.0」になっていますので、実効線量換算係数自体、考える必要が無くなっています。

木造家屋の低減係数は、一概に語れるものではないので、難しいです。日本中の木造家屋で測って平均値を出すわけにもいきませんし。今のところ、0.4が主流で、時々、0.5を採用している場合があります。

屋外と屋内を分けないで計算するのは、あまり意味がないと考えます。
white ― 2011-12-03 08:52
そうですか・・。
私もよくわからない所もあるので、もう少し勉強してみます。
ありがとうございます。
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