野田会見に全面反論
2012-06-09


以下、青文字赤文字が、2012年6月8日18時から行われた、大飯原発の再稼働問題に関する野田首相の会見内容全文です。特に重要と思われる部分を赤文字にしてあります。黒文字は、私設原子力情報室からのコメントです。

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本日は大飯発電所3、4号機の再起動の問題につきまして、国民の皆様に私自身の考えを直接お話をさせていただきたいと思います。

4月から私を含む4大臣で議論を続け、関係自治体のご理解を得るべく取り組んでまいりました。
夏場の電力需要のピークが近づき、結論を出さなければならない時期が迫りつつあります。
国民生活を守る。それがこの国論を二分している問題に対して、私がよって立つ、唯一絶対の判断の基軸であります。それは国として果たさなければならない最大の責務であると信じています。


>「国民生活」の大前提は、「命」と「健康」でしょう。

その具体的に意味するところは2つあります。国民生活を守ることの第1の意味は、次代を担う子どもたちのためにも、福島のような事故は決して起こさないということであります。
福島を襲ったような地震・津波が起こっても、事故を防止できる対策と体制は整っています。これまでに得られた知見を最大限に生かし、もし万が一、すべての電源が失われるような事態においても、炉心損傷に至らないことが確認をされています。


>「すべての電源が失われるような事態においても、炉心損傷に至らない」という確認は、いつ、どこで、誰が行ったのでしょうか?あの斑目委員長だって、この発言には首を縦に振らないはずです。
「長時間の全電源喪失が起きれば、必ず炉心損傷(メルトダウン)に至る。だから、全電源喪失だけは起こさないようにしなければならない。しかし、それを100%防ぐ手だてはない」というのが、原発推進派も含めた基本的な理解です。

また、福島型の地震・津波以外の原因であれば、また「想定外」で逃げられる文脈になっていることも見落としてはいけません。この作文はかなり狡猾です。

これまで1年以上の時間をかけ、IAEAや原子力安全委員会を含め、専門家による40回以上にわたる公開の議論を通じて得られた知見を慎重には慎重を重ねて積み上げ、安全性を確認した結果であります。

もちろん、安全基準にこれで絶対というものはございません
最新の知見に照らして、常に見直していかなければならないというのが、東京電力福島原発事故の大きな教訓の一つでございました。


>数秒前に言った「福島を襲ったような地震・津波が起こっても、事故を防止できる対策と体制は整っています」と「安全基準にこれで絶対というものはございません」は、完全に矛盾しています。
安全基準に絶対がないと認めることは、事故を100%防止はできないと認めることと同義です。

そのため、最新の知見に基づく30項目の対策を新たな規制機関の下での法制化を先取りして、期限を区切って実施するよう、電力会社に求めています。
その上で、原子力安全への国民の信頼回復のためには、新たな体制を一刻も早く発足させ、規制を刷新しなければなりません。速やかに関連法案の成案を得て、実施に移せるよう、国会での議論が進展することを強く期待をしています。

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