原発と経済(1):貿易赤字と原子力
2014-02-04


輸入量は2010年の1.25倍になっています。
一方で、天然ガスの価格は2009年あたりから、大きく跳ね上がっていました(以下サイトを参照してください)。

●参照:世界経済のネタ帳『アジアを取り巻くLNG輸入環境』


3.11以前の天然ガス価格高騰の原因は、主に原油価格の上昇に引っぱられたものでしょう。原油が高いから、需要が天然ガスに集中したのです。

ところが2011年、特に日本向けの天然ガスだけが、さらに激しく値上がり。これは、言葉は悪いですが「足もとを見られた」のです
毎日新聞は、2010年と2013年では天然ガスの輸入額が2倍になったと書いています。
その原因は何だったのか… "トモダチ作戦"が聞いて呆れます。震災と原発事故で追い込まれた日本から、カネをむしり取っていった輩がいるのです。

話を戻しましょう。
ひとつ見落としてはいけないのは、3.11とは無関係に、日本はとても高い天然ガスを買い続けてきたということです。
主な原因は、購入側に交渉力がないからだと言われています。要するに言い値で買わされていると… 日本が買っている天然ガスの価格は、アメリカの5倍以上、イギリスの2倍近くです。
本来ならば、政府の交渉力によって、3.11以降の足もとを見るようなえげつない値上げを阻止すべきでした(これは、菅政権、野田政権、安倍政権共通)。
アメリカ並みと言わなくても、イギリス並みの価格で天然ガスを買えていれば、輸入量が1.25倍になっても、輸入額は十分に下げることができたのです。

いかがでしょうか?
安倍首相の「昨年、原発がないことで化石燃料の輸入に3.6兆円も多く支払った」という発言は、まったくの嘘なのだということがお分かりいただけたと思います。

加えて、安倍政権の『三本の矢』とやらで進められた円安誘導が、原油や天然ガスの価格をさらに引き上げました。
「原発が止まって貿易赤字拡大」は虚構。ある種、安倍政権の自作自演の下手な芝居とも言えるのです。

騙されてはいけません。

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